文京区議会  無所属  市民の広場・文京


















田中和子の区議会レポート


政策の主人公は区民です!
昨年(2018年)8月、厚労省は液体ミルクの規格基準を 定めた改正省令を施行し国内販売を解禁しました。これを 受け、私の所属会派「市民の広場・文京」は9月議会で、液体ミルクを災害時の備蓄に含めることを求めました。
3か月後の11月に突然、液体ミルクの備蓄と赤ちゃんを災害から守る社会の実現に向け「文京区プロテクトベイビーコンソーシアム」の設立を区長は記者会見し全国に発信しました。このコンソーシアム(共同体)の活動骨子は、日本栄養士会「赤ちゃん防災プロジェクト」と連携して作成する災害時の赤ちゃんへの栄養支援ハンドブック配布・啓発、妊産婦・乳児救護所の備蓄物資の充実、液体ミルクの使い方や使用経験の構築があげられています。液体ミルクは妊産婦・乳児救護所に備蓄し、保存期間が6ヶ月から1年間であるため、ローリングストック*により防災フェスタ などイベントや保育園での配布などで有効活用を図るとし ています。コンソーシアムの構成員は文京区、妊産婦・乳児 救護所になる4大学、江崎グリコ(液体ミルク製造・販売 会社)、フレーベル館(絵本・児童書の出版社)です。
「災害から赤ちゃんを守る社会の実現」を掲げてのコンソーシアムの設立ですが、なぜ、このメンバーで立ち上げるのか、 災害から赤ちゃんの命を守るには何をなすべきか等々、理念が全く見えてきません。
どこの自治体よりいち早く液体ミルクを備蓄し、内容が未熟なままコンソーシアムを立ち上げ「災害から赤ちゃんの命を守 る」という大プロジェクトを全国に発信することを急いだ「勇み足」に思えてしまう。
区のホームページには、江崎グリコは、液体ミルクの啓発資料等の作成・提供を担うことになっています。コンソーシアムを組むということは物資の提供をいただくことではなく、専門家同士が広く知恵を出し合うことです。 「文京区プロテクトベイビーコンソーシアム」は赤ちゃんを災害から守るための事業であるべきですが、これでは政策・ 施策の主人公である「赤ちゃん」は不在になっています。政策・施策の主人公は区民(赤ちゃん)であるべきです。

*ローリングストック…買い置きしてある備蓄用の食品・加工品を普段から活用し、 使ったらその分だけ買い足す方法


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