田中和子の区議会レポート

―――指定管理者の評価や選定、おざなりになっていないか!―――
文京区では51施設で指定管理者制度が導入され、指定管理者は所管部の評価を毎年1回と学識経験者を含む全庁組織での評価を指定期間中(3年から5年間)に1回受けることになっている。しかし、評価において、指定管理者が提出した資料を所管はよく読み込んでいるのか、疑問を感じることが多々ある。民間に任せるなら、行政も議会も厳しい目をもって、更なるチェック機能を働かせなくてはならない。

1 根津児童館及び目白台第二児童館の指定管理者評価…驚きの連続 
       評価はAからEの中間のC

私が情報公開請求で得た指定管理者からの指定管理料に対する報告資料と議会に出された報告資料を比較すると、受領額(収入)と執行額(支出)は同じ金額だが、執行額項目2つの金額がまったく異なっている。これを質すと、区の担当者の指摘で指定管理者は評価検討会当日に正しい資料を再提出したと説明。情報公開請求でお金を出して得た私の資料は間違った資料であったと弁解。
驚いたのは、間違った項目の1つは一般管理費であるが、私がこの中身を質すと、「指定管理者に一般管理費の内訳について提出を求めていない」とのこと。収入と支出の差はゼロであることから、この一般管理費はいかようにも調整できる金額で、事業者の取り分(余剰金)を含んでいると思われる。
さらに驚いたことには、前回の評価で「指定管理料の収支状況は、より詳細が明記された内容を報告されたい」と指摘され、今回の評価では「収支状況も内容が詳しく報告されている」と記されている。中身を把握していない。一般管理費などいうあいまいな項目は作らない。内容が全て把握できる収支報告を作成する。精査しない資料を出す指定管理者への厳重注意の3つを強く求めた。

2 文京総合体育館外6スポーツ施設…もっとオープンに 評価はC
東京ドームグループ・ミズノ共同事業体が指定管理者であり、その構成員は、東京ドーム、東京ドームスポーツ、東京ドームファシリティーズ、美津濃株式会社である。総合体育館の運営・管理をめぐっては、プールのカビやさびについて清掃等管理の不行き届きや広く利用者の声が反映されていないことを私たち「市民の広場・文京」は指摘してきた。
情報公開請求で得た資料の小破修繕費清算報告書をみると、総合体育館プールの北西及び南西天井、シャワー室天井塗装工事、B1シャワー室カビ除去作業などを構成員の東京ドームファシリティーズが行っている。これらの作業がどれくらい有効であったか、その妥当性を問わなくてはならない。総合体育館の27年度の小破修繕額は220万円であり、その42.7%を東京ドームファシリティーズが占めている。私は、地元事業者の参入を促進するために、指定管理者構成員が行う小破修繕費の割合の上限を設けることを求めた。
問題は利用者懇談会である。情報公開請求で得た資料によれば、学識経験者1名、利用者代表11名、指定管理者職員5名に設備管理責任者1名の18名で構成され、委員は任期制で欠員が出た場合は再募集を行う。利用者懇談会の会議録を見ると、委員長は「退任の意向がなければ、現委員の方とまたご一緒に進めていきたいと個人的に希望するところだが、いかがでしょうか」と発言し、「過半数の承認あり」と書かれている。「委員に謝礼は支払われているか」と私が尋ねると「調べてお返事する」とのこと。やはり委員に謝礼が支払われていた。この形式は利用者懇談会ではなく運営協議会的なものであり、区民の声が運営に反省されるよう改善を求めた。

3 森鷗外記念館の指定管理者候補の選定は……
      応募団体は少なく、甘すぎる選定

指定管理者の公募には2団体の応募があり、現在の指定管理者である株式会社丹青社が選定された。一次審査、二次審査とも他の1団体より高得点を得ている。選定には利用料金収入(観覧料収入)の還元率(丹青社は75%を設定)も対象になる。情報公開請求によって得た資料を調べると、区の見積もった利用料金収入は860万円に対し丹青社は988万2,670円を見込んでいる。区と丹青社の利用料金収入のかい離については選定委員会でも質疑応答があり、「動員数を増やすための提案をしている」と片づけられている。
丹青社の見積もる利用料金収入は、決算時には見積り額を下回り、平成25年度より還元は行われていない。還元率の過大見積りで還元を逃げていると思われても仕方がない。
また、自主事業(自主イベントやカフェやショップの売り上げ)は25年度より赤字が続いている。おまけに前回の指摘事項に対し、改善につながっていないことが指摘されている。選定の審査において総合得点は最低基準の60%をやや上回る67%だった。



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