田中和子の区議会レポート

☆やっと動き出した補助金ガイドラインの策定
2012年度文京区は128の事業補助に30億円余りの補助金を支出しています。私は補助金交付を受けているいくつかの団体・事業の実績報告書等を情報公開請求により入手し、補助金が適切に執行されているかどうか毎年調べています。なぜなら、行財政改革で区民サービスを切りつつ、その反面で、事業見直しもしないで補助金を出し続けている例が多くあるからです。私はこれまで、本会議質問や予算・決算委員会質問で、何度も補助金のあり方の見直しを求めてきました。やっと区は動き始めました。

■これが適正な補助ですか?
 補助金のあり方について見直しを求める私の質問に、区長は「適正な補助となるよう精査を行っている」という答弁をこれまで何度も繰り返しています。しかし、①収支報告書の記載金額が、申請した補助金額とまったく同額で、しかも万単位でしか決算額の記載がない例、②啓発紙ではなく、会員の会報など本来自己資金で負担すべきものが補助金で支出されている例、③都と区の補助金が一緒に収支報告され、区の補助金がどのように用いられたのかわからない例、④区の補助金だけの収支報告しか存在せず、団体の会費収入等財政状況が不明な例、④ほとんどの報告書に領収書は添付されていない等々、誰がみても不備だらけです。「適正」とする区長の答弁がむなしく聞こえます。

■そこで、今議会で再度区長に質問しました
田中和子の質問:「いったいどこで、誰が、どのように適切な補助となるよう精査しているのか。各課へヒアリングを行っても内部の検討には限界があり精査は不十分といわざるを得ない」。    
区長答弁:「補助金は、毎年度の予算編成方針に基づき、所管部署が精査・検証し、予算要求を行うものであり、企画政策部において各部と十分なヒアリングと調整を行った上で、私が判断している」。この答弁が示すように、所管の精査・検証や各部とのヒアリングにも問題があります。
なぜなら、区は、補助金交付規則や要綱を設け、申請、実績報告など補助金に関する事務手続きは定めていますが、庁内での統一的な「交付基準」、「見直し基準」は定められていないからです。これらの基準作りを求める私の質問に、区長は、「補助金の交付基準と検証のための統一的な基準の二つに分け本年度末のガイドライン策定に向けて具体的な検討を進めてまいります」と答弁しました。

■前進したもの、まだまだ不十分なもの
 ガイドラインの策定に着手したこと、また、これまで求めてきた「領収書の添付」、「財政力の高い団体への補助のあり方」について、今回、区長が「領収書などの補助金交付関係書類の整備、繰越金や積立金を含めた補助団体の財政状況の把握のあり方についても検討する」と答えたことは前進です。さらに、私は、特定の団体に補助し続けるのではなく、全て公募型とし、補助金支出をゼロから出発することを求めました。
しかし、区長は、「ガイドラインを策定するので、今後より客観性が担保されることを鑑み、ゼロベースからの見直しは 考えていない」と答えました。ゼロから出発することは、補助金と区と区民の関係を再定義することになり、とても重要なことですが、区長の認識はまだまだ不十分です。


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