田中和子の区議会レポート

条例は改正されたが….
納骨堂及び墓地の構造設備及び管理の基準に関する条例の改正をめぐって

区は、標記の条例を本年4月1日施行で制定した。しかし、この条例は他区の条例と比べると内容に不備があり、本駒込6丁目(大和郷)の駐車場跡地に突如納骨堂建設計画が持ち上がるという事態が起きた。しかしこの計画は、地元の強い反対により中止になったことは前号のレポートでお知らせした。

●パブコメには、ほぼゼロ回答
区は改正条例案骨子に対するパブリック・コメント(以下、パブコメ)を7月20日から8月20日まで受けつけた。驚いたことに、早くも8月22日の庁議にパブコメと区の考え方が示された。こんなスピーディな仕事を区はできるのだ(と思いきや、判で押したような回答ばかりだ)。寄せられた意見は44件。区は、文京区の条例の特色として「原則として、墓地等(納骨堂も含まれる)の設置場所を現に墓地等のある敷地又は隣接地等に制限した」ことをあげ、パブコメにはゼロ回答に近い考え方を示した。しかし、墓地等には「寺院型」と「事業型」があり、寺社であっても「事業型」を採るところがあり、近隣との紛争も起きている。また、パブコメには、法律も条例もなく、野放しになっているセレモニーホールと遺体安置所の設置に規制を求める意見が多くあったが、区は「ご意見として承ります」と回答を避けた。

●条例案はどこが改正されたか 
改正内容のポイントは、①目的に「墓地等と周辺環境との調和」を追加、②宗教法人、公益法人の事務所が文京区内にあること(改正前は隣接区も含む)、③墓地等の建設は、宗教法人等が現に墓地又は納骨堂を設けている境内地または境内地に隣接する土地であること(改正前はこの規定なし)、④墓地等の建設予定地から30m範囲内に居住する住民を周辺住民として追加(改正前は隣接住民のみ)、⑤説明会開催及び事前協議の対象として周辺住民を追加(改正前は隣接住民に説明のみ、説明会は義務ではなかった)、⑥墳墓や納骨区画数が100基未満であれば、周辺住民に対し説明会は不要とする例外規定を追加した。

●改正案はこれでよいのか!
私はこの改正案を見て、びっくり! その理由は…。骨子として区民に示し、パブコメを求めた「周辺住民」の定義が「墓地等(納骨堂を含む)の許可申請予定地の隣接境界線から30mの範囲内に居住する住民」であったのに、8月22日に庁議に示された資料には、「建設予定地から30mの範囲」に変わっていた。「隣接境界線」であれば寺社の敷地(境内地)から30mだが「建設予定地」であれば納骨堂や墓地から30mになってしまう。区に説明を求めたところ、解釈はもっと奇妙なものだった。
「納骨堂は建築基準法による建築物であるから境内地(敷地)から30m、墓地は境内地とは関係なく、墓地から30mの範囲に居住する人を周辺住民とする」であった。こんな解釈は条例案からは読み取れない。
私は改正案が「現に墓地や納骨堂を設けている境内地かその隣接する土地」にしか墓地等を建設できないとして地域を限定するのであれば、そこに住む人たちのとの環境調和が尊重されるべきだと思う。
会派として、納骨堂や墓地も境内地から30mとして周辺住民の定義を行うこと、墓地の100基と納骨堂の100基は面積が違いすぎることから、周辺住民に対し説明会開催を求める修正案を厚生委員会に提案した。しかし、自民党、区民クラブ、公明党、みんなの党の反対で否決された。反対意見は「新規参入は防げた」、「区の特徴を活かした条例ができ、これでよい」というものであった。これでは寺町に住む人に寄り添う気持ちが欠けている。
修正案は否決されたが、市民の広場・文京は区の改正案は改正前より進化したものと判断し、本会議では賛成した。残念だ。


田中和子の意見・異見(2)
使用料・手数料と受益者負担

 受益者負担の適正化に向けた使用料・手数料の改定が行われる。算定コストに、これまでは含まれていない直接的人件費が含まれた。人件費は税金で支払っているではないか。しかし、区は、納税義務者として負担する税金と、施設等を利用者に提供する貸出しや行政サービスに要する直接的人件費は別ものとしている。
 市民の広場・文京は、幼稚園や育成室など子育て支援に要する経費は社会的コストであり、区こそが将来の受益者であるとして、値上げに反対した。一方、会議室等貸出施設の料金は値下げ、据置きになるケースもあるが、値上げになるケースが多く、現行より20%以上の値上げをしないとした(例えば、シルバーホールは、現行午前使用は3,400円、改定後5,100円だが4,000円とする)。多くの施設が区の算定式通りには値上げできなくなった。施設の備品やサービス充実を求め、賛成した。人件費を算定コストに加えることは財政難に陥った自治体が取り入れている。文京区が真似をする必要はない。

 

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