田中和子の区議会レポート

縦割り行政型思考からの脱却

◇旧第五中学校の体育館整備をめぐって
 
 文京アカデミー推進調査特別委員会に旧第五中学校体育館の整備が報告された。耐震改修とバリアフリー対策を行い区民施設として開放する。具体的な施設内容、施設の名称等については新たな検討組織を立ち上げ、平成23年度に竣工予定である。旧第五中学校廃校後も近隣住民の災害時避難場所として体育館は使用されることになっている。しかし、新たな検討組織は庁内のメンバーだけで構成され、区民は含まれない。私は、運動施設としてのみならず、避難所としての整備も必要であることから、検討組織に近隣住民を加えることを求める質問を行った。
 驚いたことに、答弁に立ったアカデミー推進部長は「防災の話はアカデミーが責任を持つことではない」と言い切った。アカデミー推進調査特別委員会に防災関係の職員は出席していないが、体育館が地域で果たす役割を考えれば、防災課と協議をして整備を進めることは当然のことだ。部長の頭には、自分の仕事の範疇として体育館という建物はあっても区民は不在である。
 私の怒りは納まらず、体育館の運営管理に、指定管理者制度の導入を考えているなら、なおのこと避難所機能に不都合があってはならないことを問い質した。あわてた企画課長が「地域全体で改めて今後の検討の範疇にあると考える。近隣住民の声を聞き、説明もする」と答弁した。課を横断的に実施する仕事が増えている。「所管が違えば責任はない」では、区民に対する責任を果たしていない。


◇やまびこ荘のあり方をめぐって

 庁内に設けられた「強羅文の郷等あり方検討会」は、強羅文の郷と湯之谷やまびこ荘の今後のあり方についての中間のまとめを総務区民委員会に報告した。どちらの施設も、区民利用の減少と施設の老朽化、区の財政負担の重さを抱えている。
 強羅文の郷については、建物は廃止し、土地は貸付け、貸与の条件として、旅館業を前提とした継続的・優先的な区民利用を含めて検討することが報告された。やまびこ荘については、民営化を図りたいが、土地の無償貸与を受けている魚沼市との協議が必要であること、民営化が困難なときは、施設の廃止も検討するが、魚沼市との交流事業は継続したいとしている。私はやまびこ荘を利用し、カーボンオフセット事業(二酸化炭素排出量削減のために植林を行う。加えて文京区の子どもたちが林業体験をする)を行うことを提案したが、区民部、総務部が中心で、資源環境部がメンバーにいない検討会は、このようなやまびこ荘の利用は考えてもいなかった。 
 すでに新宿区では伊那市に「新宿の森」を開設している。港区はあきる野市に森林整備をし、環境学習と二酸化炭素排出量の削減を目指している。
 先ず、施設廃止ありきではなく、所管を超えた知恵が出せない働き方は、区の組織の硬直化を示している。




戻る