田中和子の区議会レポート

◇◆ 議会も知らぬ間にことが運ぶ ◇◆

◆1. これでは区有地は金融ビジネスの対象だ!

 区が所有していた原町資材置場跡地の売却先として、プロポーザル方式により2004年2月に(株)建創と社会福祉法人新町福祉会が選定された。土地利用目的は介護付有料老人ホーム及び保育所の建設、売却価格は5億500万円、2年以内に建築を完了させることが契約書に定められている。しかし、建築工事はなかなか始まらなかった。


驚いたことに、2005年3月に新町福祉会が計画辞退を建創に提出、11月に建創から土地売買契約書の変更が区に提出され、新町福祉会に代わり、介護付有料老人ホームは(株)アズパートナーズ、保育所は(株)パソナフォスターが運営を行うことになった。これだけなら話はわかりやすい。


ところが情報公開を取って調べると、建創は信託銀行に不動産管理処分を信託後、信託受益権を有限会社アセットリンクに譲渡する。建創は土地をアセットリンクに売却できるとしている。アセットリンクは特定の資産を担保にした証券の発行など、限定された目的のために設立された特別目的会社である。信託業務が不動産業界に解禁されビジネスチャンスが広がった。区有地が不動産金融ビジネスの対象になり、土地ころがしの心配はないのか!


この経緯は3月31日に開かれた総務区民委員会で議会の求めにより報告された。保育所や介護付老人ホームの事業内容も明らかにされていない。これはでは当初のプロポーザルの目的は消え失せている。

※プロポーザル方式とは、金額のみによる入札と異なり、事業内容も加え総合評価を行い、事業者を決定する方式です。



◆2. 教育の中立性はどうしたのか!

 3月13日の教育委員会を傍聴してビックリ。

『エコリ』なる新家庭教育情報誌発行について、文京区教育委員会とサンケイリビング新聞社の間で協定が締結され、4月から年3回、区内公立小学校を通して保護者に配布されることが報告された。教育委員会では発行について特段の議論もなく通過。


情報公開を取って調べると、発行計画案は既に昨年11月に作られ、12月から「文京LFC(リビングフォーチルドレン)プロジェクト」というミーティングが開かれていた。構成メンバーは教育委員会のほか区立小学校校長会、都小学校PTA協議会、区立小学校PTA連合会、サンケイリビング社(フジサンケイグループのメンバー)である。

文教委員会には未だ発行に関する報告はない。


『エコリ』は50%が広告である。特定の企業が公立学校を通し、保護者に情報を提供することを簡単に認めて良いのか!また、4月21日付けの創刊号で教育長は、「「エコリ」が子どもたちの好奇心を大いに刺激し、また、保護者の教育に関する悩みに応える一助となることを期待しているところです」と挨拶文を寄せている。教育に関する悩みには、教育委員会が積極的に保護者と意見交換の場を設け、問題解決にあたるという主体性を持つべきだ。


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