総務区民委員会で金沢市を視察(2016年11月1・2日)

 金沢市の概要:1583年に前田利家公が金沢城に入城したことにより城下町金沢の基礎が築かれ、430年続く城下町として、歴史的空間と新しい空間が調和し、自然豊かな都市として発展している。金沢市には、藩政期以来の建造物や街並みに加え、茶の湯・能・庭園などに人々の営みが今も息づいており、 平成21年1月に「歴史都市」として第1号認定を受けた。また、「金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化」 が平成22年2月に国の重要文化的景観に選定された。暮らしの中に息づく伝統工芸は、官民一体となった取り組みにより、文化と産業が連携してまちに活力を与えているとして、平成21年6月に世界で初めてクラフト分野でユネスコにより「創造都市」として登録された。金沢市は「金沢市観光戦略プラン2016」を策定し、戦略テーマに「四季折々、ほんものの日本を五感で発見できるまち」を掲げ、テーマを実現するための戦略と主要施策を展開している。


金沢21世紀美術館~市内小学4年生は送迎バスで全員が訪れる~
歴史、伝統尊重のまちづくりを行ってきた金沢市が新たに現代美術館の建設をすることには、反対の意見もあったが市長の決断で「金沢21世紀美術館」は建設された。
金沢大学附属小中学校が移転した跡地を利用し、兼六園や中心商業地に近いという好条件の場所にある。設計は世界的に有名な「妹島和世+西沢立衛/SANAA」、公園のような敷地に正面や裏側の区別がない円形の回廊の中に、展示室やライブラリーなどの施設が水平方向に配置されており、入館料不要のフリーゾーンが組み込まれている。総工費200億円。オープンは平成16年10月、運営は指定管理者として金沢美術創造財団が行っている。平成28年度予算は約8億4千万円、このうち市負担は4億3千万円。来館者は平成20年度より年間150万人、北陸新幹線開通により、平成28年度は230万人となり、約100億円の経済効果をもたらしている。

金沢21世紀美術館。敷地そのものが美術館のようで圧迫感のない落ち着いた建物です

学生のまちの推進~「金沢学生のまち市民交流館」交流ホールは旧料亭大広間の部材使用
 平成になり大学の郊外移転が続き、周辺に18の大学、短大、高等専門学校が集積し学生数は3万5千人を超えた。しかし、市民との交わりの希薄化、まちに対する関心の低下、金沢市の歴史・文化に触れる機会の減少など、金沢の学都としての情景が薄まり、学生と市が親しく交わり、学生がまちを学び舎としてまちに溶け込み活き活きと学ぶ姿が薄まっているという課題が出てきた。
 これを解決するために、「学生のまち推進条例」が平成22年に制定され、その後の取り組みとして、学生組織の発足、活動拠点として「金沢学生のまち市民交流館」の設置(40団体が利用)、学生と商店街や地との連携事業、学生がまちづくり企画に応募する協働チャレンジ事業が行われている。雪かきボランティアも行っている。

金沢学生のまち市民交流館。古い建物がうまく活かされています。

観光ボランティアガイドの会「まいどさん」~観光資源の用水の清掃も行う~
 会員数は334名、平均年齢は68歳。平成7年に金沢ボランティア大学に観光コースが新設され、修了生を会員として受け入れている。会員は会費を年間3,000円払っている。
 新幹線開通後、まいどさんの観光案内件数は2,359件(83%増)、人数は40,689人(88%増)である。
 まいどさんの仕事は、観光客ガイド事業(対象は観光客だけでなく、市民、学校関係、新入大学生なども含む)の他に、観光推進活動として、①無料休憩館の当番、②能楽美術館でのボランティア、③市民対象のお茶会、④シンポジウム、講演会等の講師や県観光専門委員会などの委員、⑤イベント参加(金沢百万石まつり、金沢マラソン大会など)、観光PR活動(キャンペーン、報道機関の取材を通した観光PRなど)、広域観光対応活動、研修と多岐にわたる。
 市の支援として、観光ガイドごとにガイドさん一人に1,000円が支払われるほかに、会にはニュース作成や調査の委託費として700万円が支払われる。   
 観光協会にデスクを2つ置き2名が駐在している。1名には人件費が出ている。





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