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今回は議会最終日に行なわれた勇退議員のスピーチから、田中のスピーチを掲載させていただきます。自由に言いたい放題言える唯一の時です。
市民の広場・文京の田中和子です。
このような機会をいただきありがとうございます。5期20年間、健康に恵まれ活動できたこと
に感謝しております。
議員には定年がありませんので、いつ退くかということを考えた時、元気なうちに退き、人生に余白の部分を残し、社会貢献できたらという思いに至りました。
私は、議員になる前は、国立成育医療研究センター研究所で食物アレルギーの研究をしていましたが、落ちてもつぶしが利くということで、女性議員を増やしたいという仲間たちの願いから、突然立候補することになりました。
立候補に当たり、お金がなくても女性が議員に立候補するにはどうしたらよいか、その方策を話し合い、何人かが近くの信用金庫に口座を開設し、融資を申し込むことにしました。融資の交渉は2回で成立、万一成立しない時は全員が口座を解約するつもりでした。落選すればみんなで返済、当選すれば私が返済という約束でした。事務所探しは、狙った物件に競争相手がいました。大家さんが私の選挙リーフレットを見せてほしいということでお見せしたら、「市川房枝記念会で学ぶ」の一文を見つけ「私は国会で市川先生を見ていました。あなたにお貸ししましょう」と即決でした。大家さんは北陸出身の自民党代議士の秘書をしていらっしゃった方でした。
当選後は、これまで取り組んできた、「女性であることで生じる困難や差別の解消」に取り組むとともに、制度上の様々な課題の改善に取り組みました。主なものは、パブリックコメントの統一ルールの制定、条例や計画策定時に区民参画を複数の方法で取り入れること、2010年からブラックボックスであった補助金交付の改善を求め続け2015年に補助金ガイドラインができたこと、バランスがとれた区政を目指すために別建てであった基本構想実施計画と行財政改革推進計画を1つに統合したこと、指定管理者ガイドラインとマニュアルも策定され更なる改善が今も進行中です。
面白い答弁にも出会いました。差しさわりのない範囲でお話しします。
2006年区立小・中学校将来ビジョン素案が示された時です。
区立第五中と第七中を統合し新大塚公園と教育センター敷地に新校舎を建設する計画が示され
「統合校には広い校庭と直線で100mのコースを取りたい」と学校教育部は何度も説明していました。計画図を基に私が計算すると100m直線コースは絶対にとれません。文教委員会で追及すると「70mくらいしか取れない。新中学校の夢として語った」と答弁しました。夢は夢に終わり新大塚公園は存続しています。
また、同時期に子育て支援計画を策定中でしたが、年少人口の推定はそれぞれ異なる手法で行われており、方や増加、方や減少という数値が出ていました。「区が将来の政策・施策を考える時には、庁内で統一した人口統計に基づくべきだ」との私の質問に、教育委員会は、都の推計はこれまでも外れてきたし、自分達の推計値が正しいと答弁し明確な数字の根拠は示しませんでした。この数字で判断したら現在は大変なことになっていました。学校配置計画は廃案になりました、。
同じ2006年4月1日に発行予定で、元町公園のデザインの卓越性を記した「ふるさと歴史館だより」がこっそり廃棄処分されました。区報3月25号で元町公園に関する計画(前区長の元町公園に湯島総合体育館を移転し、公園を旧元町小学校側に移す計画)が掲載されることを歴史館館長が知り、これはまずいと教育委員会事務局で記事を取り下げ、処分と再発行を決定したのです。なんと、4月6日納品でしたが、契約は4月25日、納期は5月30日です。課長2名以下係長がこの契約書に捺印しています。総務区民委員会で区民部長はひたすらあやまりでしたが、その後私の本会議質問に対し、「組織的な対応がなされないままの発行であり、あの判断は正しかった」と教育長は答弁しました。元町公園、旧元町小学校の現在と職員の努力は皆さんご存知と思います。
現在は、職員の皆さんの仕事の仕方もずっと進化し、数字やデータやエビデンスを無視しては答弁は書けないことでしょう。
議員の皆さんには応援して下さる人が多くいらっしゃることと思います。議員はただ代弁者であるだけでなく、その方たちが、自由に議論し、議員頼みではなく自らも行動し、社会を変える一人になっていただくよう助言し、住民自治をともに担う人を増やしていくことも使命と思います。区にお願い事をするするだけでは、住民の力を弱くしてしまうことにも気づいてほしいと思います。また、議論もなく、下手な鉄砲も数撃ちゃあたる式で、お願い事をウィッシュリスト的に並べるだけでは政策議論にならず残念な手法だと思ます。議員の質問や述べる言葉は、知識や情報だけでは人は感動しません。「政治家の市民力、市民の政治力」を磨く人であってほしいと思います。。
最後になりましたが、成澤区長ほか理事者の皆さん、様々な意見交を通し、皆様の誠実さに触れることができ、今後の区政を託すことができる若い職員の皆様が育っていることと思います。
より働きやすい職場環境を作ってほしいと願っています。 あと一か月で選挙を迎える議員の皆さんには、体調に気を付け健闘されることを願っています。ありがとうございました。
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