田中和子の本会議報告


本会議報告
 議員が本会議質問できるのは4回の定例議会のうち1回のみになり、6月定例議会では、市民の広場・文京の質問はありませんでした。
本会議質問に代わり、議員提出議案「文京区旅館業に係る計画及び適正な管理運営に関する条例」が成立しました。議員提出議案の成立は14年ぶりです。この条例について報告します。

◆なぜ、新しい条例を提案したのか  
  2つの大きな理由からです。①文京区千石で簡易宿所建設をめぐり、住民無視、区の「指導要綱」も無視の姿勢を貫く事業者に対し、区議会へ「旅館業法上の施設建設に対する請願」が提出され、全議員の賛成で請願が採択されたこと。②国の旅館業法が規制緩和を伴う内容に改正され(昨年12月改正旅館業法が成立、本年6月15日施行)、これに伴い民泊営業を目指す事業者が規制緩和される旅館・ホテル業に安易に乗り出すことを防ぐためです。条例の目的は、区民の良好な生活環境を確保することです。これまでの「文京区旅館業の営業許可等に関する指導要綱」は廃止されましたが、条例として法的拘束力を持つものになりました。

◆改正旅館業法の主な改正点は 
改正前の旅館業法の営業種別は、①「ホテル営業」、②「旅館営業」、③「簡易宿所営業」、④「下宿営業」の4つの分類でした。改正では、①と②が統合され「旅館・ホテル営業」となりました。
違法な民泊サービスの広がり等を踏まえ、無許可営業者に対する規制を強めました(立ち入り検査ができます)。また、無許可営業に対する罰金の上限を3万円から100万円に、その他の旅館業法に違反した者に対する罰金の上限を2万円から50万円に引き上げました。

◆旅館業法の改正に伴い、国の旅館業法施行令と旅館業法施行規則も改正されました 
旅館業法の改正を見れば、「厳しくなっていいじゃないの」と思われますが、施行令と施行規則には、
最低客室数の廃止(これまでのホテル営業10室、旅館営業5室を廃止)。1室でも営業可能です。
洋室の構造設備の要件の廃止(これまでの寝具は洋式であること、出入口・窓に鍵をかけることができること、客室と他の客室等との境が壁つくりであることを廃止)。
旅館・ホテル営業の玄関帳場等の基準緩和。顔認証ができるビデオカメラやICT(情報通信技術)設備を玄関帳場等に代替できる。
便所の設置基準の緩和。適当な数の便所を有すればよい等々、全体に緩やかになっています。

◆文京区には既に「文京区旅館業法施行条例」があります。新しい条例とは、どう違うのか
国の法律である「旅館業法」や「旅館業法施行令」などは、規定に基づき、都道府県や保健所を設置する市または特別区に条例で定めることを委任している項目があります。文京区旅館業法施行条例は、この委任を受け、いくつかの事項を定めています。例えば、宿泊者の衛生に必要な措置等の基準、宿泊者を拒む事由、ホテル営業及び旅館営業の構造設備の基準等などがあります。文京区は玄関帳場等の基準緩和に対し、これまで通り設置を義務付けることや、数値規制が撤廃された便所の数についてもこれまで通り「収容人数に応じた数」をこの条例に盛り込みました。
これに対し、「文京区旅館業に係る計画及び適正な管理運営に関する条例」は区が独自に定める自主条例です。

◆新条例「文京区旅館業に係る計画及び適正な管理運営に関する条例」の主なポイントです
苦情に対する対応や説明会、従業員の常駐を義務付け

営業者(旅館業を営むもの)の責務として、「騒音の発生等に十分配慮するとともに、近隣住民からの苦情及び問い合わせに、適切かつ迅速に対応しなければならない」と対応を義務付けました。・
近隣住民の定義を旅館業の施設の敷地境界線からおおむね半径100m、(ラブホテルの施設は半径200m)以内の敷地内に存する建物に居住、または事業を営む者としました。
旅館・ホテル業を営む者、簡易宿所を営む者に従業員の常駐を義務付けました。
営業予定者および建築主(以下「営業予定者等」)に、近隣住民に対し、計画の説明会を義務付けました。説明会において説明する事項、近隣住民には説明会開催20日前までに説明会日時、場所等が確認できる書類を配布することも施行規則に規定しました。建築主にも一定の責務を課しました。

民泊から旅館業への安易な変更を阻止するために 
一室でもホテル・旅館業の営業ができるようになった法改正を受け、「住戸と兼用する場合は、住戸と明確に区画され、廊下、階段、出入り口そのほかの避難施設に宿泊者と住居の居住者が共有する部分が存在しないこと」とし、営業に当たっての敷居を高くしました。実質的にマンション一室での営業はできません。
事前協議の指導と区長への報告義務 
説明会が終了した日から30日間の間に、近隣住民から①良好な環境の確保の観点から考慮すべき意見、②旅館業の施設の構造設備に関する意見の申出が区長にあった場合、区長は営業予定者等に当該近隣住民との協議を行うよう指導できるとする「事前協議の指導」を設けるとともに、協議の結果を区長に報告することを義務付けました。
届出を行った日から説明会、事前協議の終了するまで、さらにあっせん中は施設の整備はできません
営業予定者等は区に旅館業に係る計画届を行った日から「説明会」、「事前協議の指導」で定めた協議が終了するまでの間、さらにあっせんが行われている間は、「施設の整備を行わないもの」としました。
勧告と公表 
区長は、計画の届出、標識の設置、説明会の開催の手続きを経ないで施設の整備を行ったとき、事前協議やあっせんに応じないときなどは、営業予定者に勧告することができます。勧告に従わないときは、従わなかった者の氏名・住所、旅館業の施設の名称及び住所などを公表することができます。

新たに制定した「文京区旅館業に係る計画及び適正な管理運営に関する条例」とこれまでの「文京区旅館業法施行条例」の改正により、良好な生活環境が守られるよう、これからも皆さまの声をしっかり区政に反映させてまいります。



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