田中和子の区議会レポート

「風をおこし、町をおこす」
高知県梼原町の再生可能エネルギーの取り組み

町をあげて再生可能エネルギーを活かす先進的な取り組みを行い、環境モデル都市に認定されている人口4,000人弱の高知県梼原町を視察した。かつて「土佐のチベット」と言われたという町は、全国から視察者が訪れ、「土佐の軽井沢」に変身を遂げているようであった。前町長は道路町長といわれてきたが、公共事業が減少し、補助金が得られる環境事業にシフトした。その思想を当時副町長だった現町長は受け継いでいる。最初は「環境で飯が食えるか」といわれたが、まずは、「間伐を行い森をきれいにする」、「四万十川にきれいな水を流すこと」から始めた。その後、京都会議(第3回気候変動枠組条約締約国会議)があり、これを受け、再生可能エネルギーに取り組もうということになった。
 
◆風車、小水力発電、太陽光発電、地熱利用  
 平成11年に、国からの補助金をもとに風車を2基設置した。風車は1台あたり、600kw/hの発電量で、2基で年間3,500万円の売電利益があり環境基金としている。この基金から住民の太陽光パネル設置に1基あたり20万円、最大4基まで補助している。

 申請者全員に補助しており、既に100戸以上が設置している。「2050年には町民の電気料金はタダ」を目標に、40基の風車設置も予定している。

 小水力発電で得た電力は、昼間は町内の中学校に、夜間は街路灯の照明に利用されている。地熱は温水プールに利用されている。

 CO2を出さない家として、モデル住宅も造っており、私が宿泊したホテルは脱化石燃料の観点から、町にあるペレット工場で生産したペレットスーブを利用している。現在エネルギーの自給率は28.5である。
写真左に小水力発電があります。落差は6m、出力は53Kwです
梼原町の街並み。小水力発電を利用した街路灯が並んでいます。
◆心を癒すスギ。ヒノキの建物

 町が建設したホテル、役場、道の駅は集成材を利用した木造建築物であり、町全体のコンセプトが「森林を活かす」こと。建物の屋根では太陽光発電が行われていた。(商工会が商工振興協同組合をつくり、指定管理者としてホテル、まちの駅、学校給食を運営している。)

 商工会の事務局長には旅行会社を退職した有能な人材を招き、過疎といわれた町が活性化し、住民の雇用につながっていた。
 
ホテルでは木の香り、優しい風、ヒグラシの大合唱を満喫できた。
梼原町役場。ドアは大型のスライディングドア。
◆町長との懇談で 
 
                   
快く面談をお受けいただいた町長とは、役場の議場で約1時間、懇談の時を持った。議場は会期中以外は多目的ホールになる。また災害時には町民の避難所にもなる。町長からは、「健康・教育・環境・産業・文化・暮らし」に政策の重点を置いていることを伺った。地域資源を最大限活かすこと、見守りセンターの設置、危険箇所台帳の作成、高齢者の足の確保のため車を無償貸与して低運賃での移送サービス、4・3・2年制による小・中一貫校の設置など多方面にわたる政策・施策を様々なアイデアをもって推進している。驚いたことは、特定健診の受診率が76.1%と高率であること。町民の健康に対する意識は高い。現在は 大阪の産業医にお願いし、森林セラピーを計画していることを伺った。
町民と課題について意見を出し合い、その上で町の方向性を決める。明確に方向性がわかるまちづくりに町民も協力的であり、まさに、「目指す社会を掲げ、町民とコミュニケーションをはかり、協働する」という町の理念が実践されていた。

戻る